人生最大の挫折で『奴』が舞い戻る
不妊治療をしていたのですが
初回の体外受精に失敗しました。
60万以上のお金を掛けたのに、カスリもしませんでした。
私は当然ながら、深く落ち込みました。
「また頑張ればいい」「まだまだ1回目」と言葉にはするものの、私にはとても大きな挫折でした。
…そもそも不妊治療をしていること自体が自尊心を傷付けていたのですが、頑張ったのにカスリもしなかったのです。
毎日婦人科へ通院して、毎日痛い注射にも耐えました。
お金だって飛んで行きました。
ここまでの挫折感は正直、人生で感じたことがありません。
そんな出来た人生では有りませんが、
それなりに学業に励み、それなりに就職して、最良の伴侶を手に入れ…本当に素晴らしい人生だったのです。
「私は欠陥品なのか?」
「お金ばかりなくなり、手元に残ったのは挫折感のみ」
「あと何回やれば妊娠できるのか」
「何回やっても妊娠しなかったらどうしよう」
「あと、いくら使えば妊娠できるのか」
「夫に申し訳ない」
「両親、義両親に申し訳ない」
「この世の全てに申し訳ない」
悶々としている中、突然はじけたんです。
太った人の着ているボタンのように。
その日は突然やってきました。
地下に入ると動悸息切れがしてしまい
地下鉄に無理やり乗り込んだら足が震え
道新ホールに入れば冷や汗が垂れて
飛行機に乗ろうと考えただけで胸が痛くなる
リビングで音楽を聴いているだけで責められているような気分になり
布団から一歩も出ることが出来なくなってしまいました。
それが先週末のお話です。